ファーストステップ: 1 つのリクエストを辿る 10 分ツアー
このツアーでは、GET /posts という 1 つのリクエストを追いかけながら、Guren アプリのレイヤーを順に見ていきます。ルート、コントローラー、バリデーション、モデル、リソース、Inertia ページを通り、最後にテストで確かめます。全体像をつかむためのページなので、細部は各所に置いたガイドへのリンクからたどってください。
ファーストステップ: 1 つのリクエストを辿る 10 分ツアー
このツアーでは、GET /posts という 1 つのリクエストを追いかけながら、Guren アプリのレイヤーを順に見ていきます。ルート、コントローラー、バリデーション、モデル、リソース、Inertia ページを通り、最後にテストで確かめます。全体像をつかむためのページなので、細部は各所に置いたガイドへのリンクからたどってください。
動いているアプリ(はじめる 参照)に、次のコマンドで posts リソースを生成してあるものとします。
bunx guren add resource posts --fields "title:string,body:text,published:boolean"
手を動かしながら一歩ずつ作りたい場合は、代わりに Guren チュートリアル に進んでください。同じ内容をハンズオンで扱い、さらにその先まで続きます。
まず全体の流れです。GET /posts は次の順にレイヤーを通り、最後にブラウザーへ HTML が返ります。
flowchart TD
Browser["ブラウザー<br/>GET /posts"]
Route["1. ルート<br/>routes/web.ts"]
Controller["2. コントローラー<br/>PostController.index()"]
Validator["3. バリデーション<br/>ListPostsQuerySchema"]
Model["4. モデル<br/>Post.paginate()"]
Database[("データベース<br/>posts テーブル")]
Resource["5. リソース<br/>PostResource"]
Page["6. Inertia ページ<br/>posts/Index.tsx"]
Browser --> Route --> Controller
Controller --> Validator --> Model
Model <--> Database
Model --> Resource --> Page
Page -- "レンダリング結果" --> Browser
ここから、図の番号順に 1 つずつ見ていきます。
1. ルート
リクエストはすべて routes/web.ts から始まります。このファイルの registrar が、URL とコントローラーのアクションを対応づけます。
import { Router } from '@guren/core'
import PostController from '@/app/Http/Controllers/PostController'
export function registerWebRoutes(router: Router): void {
router.get('/posts', [PostController, 'index'])
router.post('/posts', [PostController, 'store'])
}
GET /posts は 1 行目にマッチするので、Guren は PostController.index を呼び出します。グループ、ミドルウェア、名前付きルートもこのファイルに書きます。詳しくは ルーティングガイド を参照してください。
2. コントローラー
リクエストを処理するのは app/Http/Controllers/PostController.ts です。
import { Controller } from '@guren/core'
import { Post } from '@/app/Models/Post'
import { PostResource } from '@/app/Http/Resources/PostResource'
import { ListPostsQuerySchema } from '@/app/Http/Validators/PostValidator'
import { pages } from '@/.guren/pages.gen'
export default class PostController extends Controller {
async index() {
const { page } = this.validateQuery(ListPostsQuerySchema)
const result = await Post.paginate({ page, perPage: 20 })
return this.inertia(pages.posts.Index, {
data: result.data.map((post) => new PostResource(post).toJSON()),
})
}
}
このアクションは、入力の検証、データの取得、ページのレンダリングの 3 つを順に行っています。コントローラーでできることの全体は コントローラーガイド にまとめてあります。
3. バリデーション
this.validateQuery(schema) はクエリ文字列を Zod スキーマでパースし、入力が不正なら自動で 422 を返す例外を投げます。エラー処理を自分で書く必要はありません。
import { z } from 'zod'
export const ListPostsQuerySchema = z.object({
page: z.coerce.number().int().positive().default(1),
})
リクエストボディには validateBody、ルートパラメータには validateParams があり、どちらも同じように使えます。詳しくは バリデーションガイド を参照してください。
4. モデル
app/Models/Post.ts は、クラスと db/schema.ts の Drizzle テーブルを結びつけます。
import { defineModel } from '@guren/core'
import { posts } from '@/db/schema'
export class Post extends defineModel(posts) {}
クエリは Laravel と同じ感覚で書けます。Post.find(1)、Post.findOrFail(1)(見つからなければ 404 を投げます)、Post.where('published', true).get() といった具合です。カラムの型はスキーマから引き継がれ、どのクエリ結果にも付きます。詳しくは データベースガイド を参照してください。
5. リソース
app/Http/Resources/PostResource.ts で、サーバーの外に出すデータを決めます。ここに書いたカラムしか出ていかないので、内部用のカラムをうっかり返してしまうことはありません。
import { Resource } from '@guren/core'
export class PostResource extends Resource<Post> {
toArray() {
const { id, title, body, published } = this.resource
return { id, title, body, published }
}
}
詳しくは API リソースガイド を参照してください。
6. Inertia ページ
this.inertia(pages.posts.Index, props) を呼ぶと、resources/js/pages/posts/Index.tsx がレンダリングされます。中身はコントローラーの props をそのまま受け取るふつうの React コンポーネントで、間に API レイヤーは挟まりません。
import type { PageProps } from '@guren/inertia-client/contracts'
import { pages } from '@/.guren/pages.gen'
type Props = PageProps<typeof pages.posts.Index>
export default function PostsIndex({ data }: Props) {
return (
<ul>
{data.map((post) => (
<li key={post.id}>{post.title}</li>
))}
</ul>
)
}
bunx guren add resource が生成する一覧ページは、これより少し作り込んだ見た目になっています。

codegen が各ページの Props を .guren/pages.gen.ts に書き出すので、コントローラーが形の違う props を渡すとコンパイルエラーになります。カラム名を変えたときも、スキーマからブラウザまでの各レイヤーで直すべき箇所を TypeScript が教えてくれます。詳しくは フロントエンドガイド を参照してください。
7. テスト
TestApp を使うと、起動したアプリに実際のリクエストを送り、ここまでの経路が端から端まで動くことを確かめられます。
import { test } from 'bun:test'
import { TestApp } from '@guren/testing'
test('lists posts', async () => {
const app = await TestApp.create()
await app.get('/posts').assertOk()
})
メソッドチェーンで書けるアサーション、actingAs、データベース用のヘルパーは テストガイド で紹介しています。
8. プロジェクト知識
ここまでのリクエスト経路が表すのは、アプリが何をするかです。プロジェクト知識には、なぜその設計にしたのかを記録し、全体像を最新の状態に保ちます。bunx guren spec:generate を実行すると、コードから ER、ドメイン、画面、モジュールのビューが生成されます。bunx guren make:adr で作る ADR には、その決定が関わるエンティティとコードパスを書いておき、bunx guren check --docs でその対応が正しいかを検証します。
bun run dev を実行した状態で http://localhost:3333/_guren/docs を開くと、これらの文書とエンティティ、コードパスを 1 つのインタラクティブな Docs Graph として見られます。

Docs Graph は上のリクエスト経路の代わりになるものではありません。経路のまわりに、設計の理由と生成したビューを結びつけるものです。ワークフロー全体は スペックアンカード開発 を参照してください。
メンタルモデル
Guren アプリの機能は、どれもこの同じ経路を通ります。
- routes が URL をコントローラーに対応づける
- validators が入力をパースする
- models がデータアクセスを表す
- resources が出力の形を決める
- pages が props を定義する
- controllers がこれらをまとめて動かす
この実行時の経路のまわりでは、プロジェクト知識 が生成したスペックと人が下した判断を、それぞれが説明するコードに結びつけ、その対応が崩れていないかを検証します。
機能を追加するときは、経路全体の雛形を一度に生成してから、マニフェストを更新します。
bunx guren add resource comments --fields "body:text,postId:integer"
bun run codegen
次のステップ
本格的に作り始めるなら、Guren チュートリアル に進んでください。投稿、ユーザー、認可、アップロード、メール、エージェント用のツールを、手を動かしながら作っていきます。わからない用語が出てきたら 用語集 で確認してください。