テストガイド
TestApp を使うと、アプリを HTTP 越しにテストできます。本物のミドルウェアとルートを通してリクエストを送り、レスポンスをアサートします。このページでは、ユーザーとしてログインした状態でのテスト、開発用データベースとの切り分け、メール・イベント・キューのフェイクも扱います。
テストガイド
TestApp を使うと、アプリを HTTP 越しにテストできます。本物のミドルウェアとルートを通してリクエストを送り、レスポンスをアサートします。このページでは、ユーザーとしてログインした状態でのテスト、開発用データベースとの切り分け、メール・イベント・キューのフェイクも扱います。
生成したアプリは Bun のテストランナーでテストを実行し、例として tests/HomeController.test.ts が 1 つ入っています。スイートは bun run test で実行します(テストの実行を参照)。
TestApp
TestApp はアプリケーションを同じプロセスの中で起動します。ミドルウェアとルーティングはすべて本物のまま動き、リクエストごとにアサーションをメソッドチェーンで書けます。生成したアプリのテストも、src/app.ts が export するアプリをこの方法でラップしています。
import { beforeAll, describe, test } from 'bun:test'
import { TestApp } from '@guren/testing'
import app from '../src/app.js'
describe('Posts', () => {
let http: TestApp
beforeAll(async () => {
http = await TestApp.fromApp(app)
})
test('lists all posts', async () => {
await http.get('/posts').assertOk()
})
test('returns 404 for a missing post', async () => {
await http.get('/posts/999').assertNotFound()
})
})
このページの例では、TestApp を http、アプリケーションを app と呼びます。標準的な HTTP メソッドはすべて使えます。
await http.get('/posts')
await http.post('/posts', body)
await http.put('/posts/1', body)
await http.patch('/posts/1', body)
await http.delete('/posts/1')
await http.query('/posts/search', body) // HTTP QUERY (RFC 10008)
アプリの組み立て方を選ぶ
| 組み立て方 | 動かすもの | 使う場面 |
|---|---|---|
TestApp.fromApp(app) |
src/app.ts が export するアプリ。プロバイダー、auth、i18n、設定もそのまま |
ほとんどのテスト。本番と同じ構成で確かめられる |
TestApp.create({ ... }) |
渡したオプションから組み立てたアプリ | 一部分だけを切り出して試すとき、環境変数を上書きして試すとき |
TestApp.fromFetch(fetch) |
任意の fetch 関数 | ハンドラーが Guren アプリケーションではないとき |
実アプリをラップする
fromApp() は、アプリの boot と fetch ハンドラーのバインドをまとめて行います。同じインスタンスに対して、複数のテストファイルから呼んでも構いません。boot() は 1 回だけ実行され、2 回目以降は最初の boot をそのまま使います。起動には、src/app.ts が createApp() に渡している環境変数のスキーマと config 定義が使われます(詳しくは設定を参照)。
同じことを手で書いた、次のような長い形を見かけることもあります。
await app.boot()
http = TestApp.fromFetch((request) => app.fetch(request))
この形で書くときは、アロー関数のままにしてください。fetch はインスタンスの状態を読むので、バインドしていない app.fetch をそのまま fromFetch に渡すと、最初のリクエストで例外になります。
部品からアプリを組み立てる
TestApp.create() は createApp と同じオプションを受け取ります。一部分だけで組み立てた構成は、サーバーが実際に動かす構成から離れていきがちです。テストするコードが必要とするものは渡してください。セッションと CSRF のミドルウェアが必要なら auth を、コントローラーが this.t() / this.tc() を呼ぶなら i18n を渡します。
const http = await TestApp.create({
routes: registerWebRoutes,
i18n: { supported: ['en'] },
})
process.env を書き換えずに環境変数を 1 つだけ変えて試したいときは、config/env.ts のスキーマを env に、上書きする値を envSource に渡します。
import { TestApp } from '@guren/testing'
import env from '../config/env.js'
const http = await TestApp.create({
env,
envSource: { CACHE_STORE: 'memory', APP_URL: '' },
providers: [ReportProvider],
})
envSourceはprocess.envより先に読まれます。''を渡した変数は未設定として扱われます。- 上書きした値は、プロバイダーやコントローラーが
this.make('env')で読む値に反映されます。create()はconfig配列を受け取らないので、config/*.tsの定義には反映されません。 - 不正な値を渡すと、
create()が返す Promise はEnvValidationErrorで reject されます。
Fluent アサーション
リクエストの後ろに、レスポンスのアサーションをそのままつなげて書けます。
// ステータス
await http.get('/posts').assertOk() // 200
await http.get('/posts').assertStatus(200)
await http.post('/posts', data).assertStatus(201)
await http.delete('/posts/1').assertNoContent() // 204
await http.get('/secret').assertUnauthorized() // 401
await http.get('/secret').assertForbidden() // 403
await http.get('/missing').assertNotFound() // 404
// JSON
await http.get('/posts').assertJson({ data: [] })
await http.get('/posts').assertJsonCount(5, 'data')
await http.get('/posts/1').assertJsonPath('post.title', 'Hello')
await http.get('/posts').assertJsonStructure(['data', 'meta'])
// ヘッダーとリダイレクト
await http.get('/posts').assertHeader('content-type', 'application/json')
await http.get('/old-page').assertRedirect('/new-page')
テストでの認証
ログインの手順を通さずに、あるユーザーとしてリクエストを送るには actingAs() を使います。
import { User } from '@/app/Models/User'
const user = await User.create({
email: 'test@example.com',
name: 'Test User',
})
// ログイン済みとしてリクエストを送る
await http.actingAs(user).get('/dashboard').assertOk()
await http.actingAs(user).post('/posts', data).assertStatus(201)
// ログインしていなければ、保護されたルートは拒否する
await http.get('/dashboard').assertUnauthorized()
テストでのパスワードハッシュ
パスワードを扱うテストは、何も設定しなくても速く動きます。TestApp は GUREN_TESTING=1 を設定し、この変数がある間、既定のハッシャーは軽いパラメータを使います(scrypt なら N=1024、hasher: 'argon2' の Argon2id なら 1 MiB・1 反復)。本番の強さのハッシュは 1 回に 100ms 以上かかるので、もしそれを使えば、次のようなテストでは実行時間のほとんどがハッシュに費やされます。
const user = await User.create({ email: 'ada@example.com', name: 'Ada', password: 'correct horse battery' })
await http.post('/login', { email: 'ada@example.com', password: 'correct horse battery' }).assertRedirect('/')
検証のときはハッシュに埋め込まれたパラメータを読むので、ログインのテストでも本物のハッシュが検証されます。軽いハッシュが本番に残ることもありません。テストの外では Hash.needsRehash() が軽いハッシュを古いものと判定し、暗号化ガイドにあるログイン時の再ハッシュで本番の強さに置き換わります。デプロイしたアプリでこの変数が設定されることはありません。
JSON API のテスト
API エンドポイントには .json() を使います。JSON のヘッダーを付けて送るので、バリデーションエラーも含めてアプリは JSON で応答します。
test('API returns paginated posts', async () => {
await http.json().get('/api/posts')
.assertOk()
.assertJsonStructure(['data', 'meta'])
.assertJsonCount(10, 'data')
.assertJsonPath('meta.currentPage', 1)
})
test('API validates input', async () => {
await http.json().post('/api/posts', { title: '' })
.assertStatus(422)
.assertJsonPath('errors.title.0', 'Too small: expected string to have >=1 characters')
})
エラーの本文の形はバリデーションを参照してください。
カスタムリクエストヘッダー
withHeaders() / withHeader() を使うと、すべてのリクエストにヘッダーを付けられます。ロケール、API のバージョン、Bearer トークンなどに使います。actingAs() や json() と同じく新しい TestApp を返すので、組み合わせて使えます。
test('renders the English locale', async () => {
const en = http.withHeaders({ 'Accept-Language': 'en' })
await en.get('/').assertOk()
})
test('accepts an API token', async () => {
await http
.withHeader('Authorization', `Bearer ${token}`)
.json()
.get('/api/me/tasks')
.assertOk()
})
テストでのデータベース
テストデータベースの分離
bun test は NODE_ENV=test を設定します。生成したアプリの config/database.ts はこれを見て、テストのときだけ別の SQLite ファイルを使います。
// config/database.ts
const database = createSqliteDatabase({
migrationsFolder: new URL('../db/migrations', import.meta.url),
seedersFolder: new URL('../db/seeders', import.meta.url),
filename: (context) => {
const values = context?.env ?? env.parse(undefined, { mode: 'report' }).values
return process.env.NODE_ENV === 'test'
? values.TEST_DATABASE_URL ?? './data/guren.test.db'
: values.DATABASE_URL ?? './data/guren.db'
},
})
| 環境 | データベースのファイル | 変更に使う環境変数 |
|---|---|---|
bun test |
./data/guren.test.db |
TEST_DATABASE_URL(たとえば並列で走らせる CI のシャードごとに別のファイルを割り当てる) |
| それ以外 | ./data/guren.db |
DATABASE_URL |
テストで作ったデータが、開発サーバーで見ているデータに混ざることはありません。どちらのキーも雛形の config/env.ts に宣言してあり、アプリの起動時には検証済みの値が context で渡されます(設定を参照)。
rule
データベースを切り替えるのは SQLite の雛形だけです。--db postgres や --db mysql で作ったアプリはテストでも DATABASE_URL を読むので、テストで resetDatabase() を呼ぶと開発用のデータベースが空になります。テスト用のデータベースを別に作り、DATABASE_URL=postgres://guren:guren@localhost:54322/guren_test bun test のようにそちらを指定してテストを実行してください。
rule
create-guren-app 1.1.0 以前で生成したアプリは、NODE_ENV に関係なく DATABASE_URL(または ./data/guren.db)に書き込みます。そのため、bun test が開発サーバーと同じデータベースに書き込んでしまいます。直すには、filename オプションを差し替え、DATABASE_URL と TEST_DATABASE_URL を config/env.ts に宣言してください。このファイルがないアプリでは、先に追加します(設定を参照)。
+import env from './env.js'
+
const database = createSqliteDatabase({
migrationsFolder: new URL('../db/migrations', import.meta.url),
seedersFolder: new URL('../db/seeders', import.meta.url),
- filename: () => process.env.DATABASE_URL || './data/guren.db',
+ filename: (context) => {
+ const values = context?.env ?? env.parse(undefined, { mode: 'report' }).values
+ return process.env.NODE_ENV === 'test'
+ ? values.TEST_DATABASE_URL ?? './data/guren.test.db'
+ : values.DATABASE_URL ?? './data/guren.db'
+ },
})
テスト間のクリーンアップ
テストごとに空のデータベースから始めるには(SQLite の場合か、DATABASE_URL がテスト用のデータベースを指している場合)、config/database.ts がすでに export している resetDatabase() を beforeEach で呼びます。この関数はすべてのテーブルを削除してからマイグレーションを適用し直し、guren db:reset と同じ状態にするので、直後からテーブルにクエリできます。
import { describe, test, expect, beforeEach } from 'bun:test'
import { resetDatabase } from '@/config/database'
describe('User Model', () => {
beforeEach(async () => {
await resetDatabase() // 全テーブルを削除してマイグレーションを再適用
})
test('creates a user', async () => {
const user = await User.create({
email: 'test@example.com',
name: 'Test User',
})
expect(user.id).toBeDefined()
expect(user.email).toBe('test@example.com')
})
})
テストごとの後片付けヘルパー
@guren/testing には、もっと細かく後片付けするためのヘルパーも 2 つあります。たいていのスイートには必要なく、resetDatabase() のほうが簡単です。
| ヘルパー | 登録するフック |
|---|---|
useTruncateTables(tables) |
指定した各テーブルの行をすべて削除する beforeEach |
useDatabaseTransactions() |
トランザクションを始め、テストの後でロールバックする beforeEach / afterEach |
どちらも、先に setTestDatabase() で登録した次の形の接続に対して動きます。
interface DatabaseConnection {
query<T = unknown>(sql: string, params?: unknown[]): Promise<T[]>
execute(sql: string, params?: unknown[]): Promise<void>
beginTransaction(): Promise<void>
commit(): Promise<void>
rollback(): Promise<void>
}
この接続を書く前に、次の点を押さえておいてください。
- Guren はこの接続を用意しません。
config/database.tsのgetDatabase()が返すのは内部の Drizzle インスタンスなので、小さなアダプターを書いて、テストを実行する前にsetTestDatabase()に渡します。 useDatabaseTransactions()には、モデルが書き込むのと同じ接続を渡す必要があります。同じファイルに別に開いた 2 本目の接続からは、1 本目の書き込みが見えず、ロールバックもされません。useTruncateTables()が発行するDELETE FROMはその場でコミットされるので、同じデータベースへの接続ならどれを通しても動きます。- テーブルは渡した順に空にします。外部キーを検査する接続(Postgres と MySQL のすべての接続と、
getDatabase()が返す SQLite の接続)では、外部キーが cascade でない限り、子テーブルを親より先に並べてください。
サービスのフェイク
テストの中で本物のメールを送ったり、本物のリスナーを動かしたり、本物のジョブを積んだりするのは避けます。@guren/testing には、それぞれのフェイクとして fakeEvent()、fakeMail()、fakeQueue() があります。フェイクが必要なテストの中で、プロジェクトが export しているアプリに app.container.fake() でバインドしてください。
import { beforeAll, test } from 'bun:test'
import { MailManager, createQueueManager } from '@guren/core'
import { TestApp, fakeEvent, fakeMail, fakeQueue } from '@guren/testing'
import app from '../src/app.js'
import { OrderPlaced } from '../app/Events/OrderPlaced.js'
import { ProcessOrderJob, type ProcessOrderPayload } from '../app/Jobs/ProcessOrderJob.js'
let http: TestApp
beforeAll(async () => {
http = await TestApp.fromApp(app)
})
test('placing an order announces it', async () => {
const events = fakeEvent()
using _events = app.container.fake('events', events.getManager())
const client = await http.withCsrf()
await client.post('/orders', { sku: 'book' }).assertRedirect('/orders')
events.assertDispatched(OrderPlaced, (event) => event.sku === 'book')
})
test('placing an order mails a receipt', async () => {
const mail = fakeMail()
const manager = new MailManager({ default: 'fake', from: { email: 'shop@example.com', name: 'Shop' } })
manager.registerTransport('fake', () => mail.getTransport())
using _mail = app.container.fake('mail', manager)
const client = await http.withCsrf()
await client.post('/orders', { sku: 'book', email: 'ada@example.com' }).assertRedirect('/orders')
mail.assertSentTo('ada@example.com')
mail.assertSentWithSubject('Your order')
})
test('placing an order queues the processing job', async () => {
const queue = fakeQueue()
using _queue = app.container.fake(
'queue',
createQueueManager({ default: 'fake', drivers: { fake: () => queue.getDriver() } }),
)
const client = await http.withCsrf()
await client.post('/orders', { sku: 'book' }).assertRedirect('/orders')
queue.assertPushed<ProcessOrderPayload>(ProcessOrderJob, (payload) => payload.sku === 'book')
})
この例は、CSRF トークンを検査する createApp({ auth }) のアプリを前提にしています。http.withCsrf() は / を一度取得し、以降のすべてのリクエストでセッションの Cookie と CSRF トークンを送る TestApp を返します。これで、POST もブラウザーからの送信と同じように検査を通ります。
auth を使わないアプリでは CSRF を検査しないうえ、トークンが発行されないので withCsrf() は例外を投げます。その場合は http.post() をそのまま呼んでください。
フェイクのバインド
コンテナの各キーにはマネージャーが入っていて、フェイクはその 1 段下の部品にあたります。そのため、マネージャーに包んでからバインドします。
| キー | 入っているマネージャー | フェイクのバインド方法 |
|---|---|---|
events |
EventManager |
fakeEvent() は内部のマネージャーを通して記録する。events.getManager() をバインドする |
mail |
MailManager |
fakeMail() はトランスポート。本物の MailManager に登録し、そのマネージャーをバインドする |
queue |
QueueManager |
fakeQueue() はドライバー。createQueueManager() のファクトリーから返し、そのマネージャーをバインドする |
イベントのフェイクをバインドしている間はリスナーが実行されず、リスナーが始めるはずのジョブやメールも動きません。
フェイクをマネージャーに包まずに直接バインドすると、最初に使われたところで失敗し、リクエストは 500 を返します。
| 直接バインドしたもの | エラー |
|---|---|
events に fakeEvent() |
this.make("events").emit is not a function |
mail に fakeMail() |
manager.getDefaultFrom is not a function |
queue に fakeQueue() |
manager.getDefaultDriverName is not a function |
バインドするタイミングには決まりが 2 つあります。
- テストの中で
usingを使ってバインドします。fake()は破棄できるオブジェクト(disposable)を返すので、usingで受け取っておけば、テストの終わりにアプリ本来のバインディングに戻ります。fromApp()を呼ぶテストファイルはどれも同じアプリのインスタンスを共有するので、beforeAllでバインドしたまま戻さないフェイクは、後から実行されるファイルにも残ってしまいます。 fromApp()がアプリを起動した後でバインドします。 プロバイダーは起動中に本物のサービスを解決します。その前にバインドしたフェイクは完全なEventManagerの代わりにプロバイダーへ渡され、セットアップが失敗します。
assertPushed には、ペイロードの型を明示して渡してください。ジョブクラスだけではペイロードの型が TypeScript に伝わらず、述語の引数が unknown になります。
setQueueDriver(fakeQueue().getDriver()) でも Job.dispatch() を横取りできますが、この方法は 2.23.0 で非推奨になり、3.0.0 で削除されます。
使えるアサーション
FakeMail は組み立て済みのメッセージを記録し、それを作った Mail クラスは記録しません。そのため、アサーションでは宛先、件名、本文を確かめます。
FakeMail:
| メソッド | 説明 |
|---|---|
assertSent(callback?) |
メールが送信された。callback を渡した場合は、送信されたどれかがそれに一致する |
assertSentTimes(count) |
送信されたメールが全部でちょうど count 通ある |
assertNothingSent() |
メールが 1 通も送信されていない |
assertSentTo(email) |
そのアドレス宛てにメールが送信された |
assertSentFrom(email) |
そのアドレスからメールが送信された |
assertSentWithSubject(subject) |
件名がこの文字列と完全に一致するメールがある |
assertSentWithBodyContaining(text) |
テキストか HTML の本文に text を含むメールがある |
assertSentWithCc(email)、assertSentWithBcc(email) |
そのアドレスを CC または BCC に含むメールがある |
assertSentWithAttachment(filename) |
このファイル名の添付を持つメールがある |
sent()、sentTo(email) |
記録されたメールを返す。すべて、または 1 つのアドレス宛てのもの |
FakeEvent:
| メソッド | 説明 |
|---|---|
assertDispatched(event, callback?) |
イベントがディスパッチされた。callback を渡した場合は、どれかのインスタンスがそれに一致する |
assertDispatchedTimes(event, count) |
イベントがちょうど count 回ディスパッチされた |
assertDispatchedWith(event, data) |
data のプロパティをすべて === で満たすインスタンスがある |
assertDispatchedInOrder(events) |
この順にディスパッチされた。間に別のイベントが入ってもよい |
assertNotDispatched(event) |
イベントがディスパッチされていない |
assertNothingDispatched() |
イベントが 1 つもディスパッチされていない |
dispatched(event) |
記録されたそのイベントのインスタンスを返す |
FakeQueue:
| メソッド | 説明 |
|---|---|
assertPushed(job, callback?) |
ジョブが積まれた。callback を渡した場合は、どれかのペイロードがそれに一致する |
assertPushedTimes(job, count) |
ジョブがちょうど count 回積まれた |
assertPushedOn(queue, job) |
ジョブが指定した名前のキューに積まれた |
assertPushedWithDelay(job, delay) |
ジョブがこの遅延(ミリ秒)で積まれた |
assertNotPushed(job) |
ジョブが積まれていない |
assertNothingPushed() |
ジョブが 1 つも積まれていない |
pushed(job) |
記録されたそのジョブの積み込みを返す |
3 つとも clear() を持っているので、複数のテストで同じフェイクを使い回すときは記録を消せます。
テストの実行
# スイート全体
bun run test
# 1 ファイルだけ
bun test tests/HomeController.test.ts
# テストファイルを生成
bunx guren make:test posts/PostController
make:test は bun:test のファイルを書き出します。アプリに vitest.config.* があるか vitest に依存している場合は Vitest のファイルになります。--runner bun か --runner vitest で明示的に選べます。
アプリを使わずにコントローラーをテストする(Vitest)
コントローラーのテストは、たいてい TestApp で足ります。Vitest を追加して、モデルをモックしたうえでコントローラー単体をテストしたい場合は、@guren/testing の次のヘルパーを使います。
createControllerContext(url, init?)は、コントローラーが読むリクエストのコンテキストを作ります。createControllerModuleMock()はvi.mock('@guren/core', …)に渡すモックです。このControllerはフレームワーク本体のControllerを継承していて、inertia()は起動済みのアプリなしで描画し、make()はコンテキストの値から解決します。createGurenControllerModule()は、フレームワークのControllerを継承しない、軽い独立したControllerのスタブを返します。setContext、make、text、inertia、viewだけを使うコードに向いています。readInertiaResponse(response)は、Inertia のレスポンスを{ format, payload, body }の形にそろえ、アサーションを書きやすくします。
この構成に特有の問題が 2 つあります。
vi.mock is not a functionが出たら、そのファイルを Bun が実行しています。Vitest のファイルはbun testではなくbunx vitestで実行してください。ReferenceError: document is not definedが出たら、DOM を必要とするテストが jsdom の外で実行されています。そのファイルの環境をjsdomにしてください。
jsdom でのファイルアップロード
Vitest の jsdom 環境では、FormData に入れて送った File がアクションに届かず、this.file() には何も見えません。アップロードを読むアクションを createControllerContext(url, { method: 'POST', body: formData }) でテストすると起きます。
jsdom がグローバルの File と Blob を独自のクラスに置き換えるため、Node 組み込みの fetch(undici)が multipart のボディを組み立てられなくなるのが原因です。症状は Vitest と Node のバージョンによって異なり、テストのタイムアウト、undici の内部での失敗、this.file() が null のままテストが通る、のいずれかになります。コントローラーのテストは DOM を描画しないので、ファイルの先頭行に次のコメントを書いて Node 環境で実行してください。
// @vitest-environment node
import { describe, expect, it } from 'vitest'