CSRF 保護
CSRF(Cross-Site Request Forgery)は、悪意のあるサイトが認証済みユーザーになりすましてフォームを送信する攻撃です。Guren にはセッションと連携する CSRF ミドルウェアが組み込まれており、これを使って防ぎます。
CSRF 保護
CSRF(Cross-Site Request Forgery)は、悪意のあるサイトが認証済みユーザーになりすましてフォームを送信する攻撃です。Guren にはセッションと連携する CSRF ミドルウェアが組み込まれており、これを使って防ぎます。
トークンは 2 つのリクエストにまたがって使われます。フォームを表示する GET のときに発行し、フォームを送信する POST のときに照合します。
sequenceDiagram
participant B as ブラウザー
participant M as CSRF ミドルウェア
participant C as コントローラー
B->>M: GET /form(安全なメソッドなので検証なし)
M->>M: セッションのトークンを発行<br/>(ゲストは double-submit トークン)
M->>C: 実行
C-->>B: hidden の _token を含むフォーム / XSRF-TOKEN クッキー
Note over B: 別サイトのフォームはこのトークンを読めない
B->>M: POST /form(_token または X-XSRF-TOKEN 付き)
M->>M: 送信されたトークンとセッションの値を照合
alt 一致する
M->>C: 実行
C-->>B: 200
else 欠落または不一致
M-->>B: 403
end
セットアップ
CSRF 保護を有効にするには、アプリケーションにミドルウェアを追加します。
// src/app.ts
import { createApp, createSessionMiddleware, createCsrfMiddleware } from '@guren/core'
const app = createApp()
// 任意 — トークンは永続化済みのセッションに紐づきます
app.use('*', createSessionMiddleware())
app.use('*', createCsrfMiddleware())
追加したミドルウェアは、次の処理を自動で行います。
- セッションごとにトークンを生成する(ゲストにはステートレスな double-submit トークンを生成する)
- 状態を変更するリクエスト(POST、PUT、PATCH、DELETE)でトークンを検証する
- 安全なメソッド(GET、HEAD、OPTIONS、QUERY)は検証せずに通す。QUERY(RFC 10008)は仕様上安全なメソッドなので、QUERY のハンドラーは読み取り専用にしてください。QUERY でもトークンを要求したい場合は、
methodsオプションに'QUERY'を加えます
フォームにトークンを含める
ネイティブの <form method="post"> では、トークンを _token フィールドとして送ってください。トークンがないと Guren は 403 で拒否します。Inertia アプリでは useForm() と <Link method="post"> が自動でトークンを送ります(Inertia.js との統合を参照)。
hidden の input フィールドは csrfField() ヘルパーで生成できます。
// コントローラー内
import { Controller, getCsrfToken, csrfField } from '@guren/core'
import { pages } from '@/.guren/pages.gen'
export default class FormController extends Controller {
create() {
const token = getCsrfToken(this.ctx)
// テンプレート/ビューに渡す
return this.inertia(pages.forms.Create, { csrfToken: token })
}
}
フロントエンド側のフォームは次のようになります(React の例)。
function CreateForm({ csrfToken }: { csrfToken: string }) {
return (
<form method="POST" action="/posts">
<input type="hidden" name="_token" value={csrfToken} />
{/* フォームフィールド */}
<button type="submit">作成</button>
</form>
)
}
hidden フィールドを直接生成しても構いません。
const hiddenField = csrfField(ctx)
// 出力: <input type="hidden" name="_token" value="..." />
AJAX リクエスト
JavaScript から送る AJAX リクエストでは、トークンをヘッダーに入れます。
// ミドルウェアが JavaScript から読める XSRF-TOKEN Cookie を設定します
const csrfToken = decodeURIComponent(
document.cookie.match(/(?:^|;\s*)XSRF-TOKEN=([^;]*)/)?.[1] ?? '',
)
fetch('/api/posts', {
method: 'POST',
headers: {
'Content-Type': 'application/json',
'X-XSRF-TOKEN': csrfToken,
},
body: JSON.stringify({ title: 'Hello' }),
})
Axios(したがって Inertia.js も)はこの処理を自動で行います。上のコードが必要になるのは、素の fetch を使う場合だけです。
ミドルウェアは、次の 3 か所を上から順に見てトークンを探します。
X-CSRF-TOKENヘッダーXSRF-TOKENCookie から読み取られたX-XSRF-TOKENヘッダー- urlencoded・multipart・JSON いずれかのリクエストボディの
_tokenフィールド
これらの名前は変更できません。Cookie を無効にした場合(後述の cookie: false)は、getCsrfToken(ctx) でトークンをページに渡し、X-CSRF-TOKEN ヘッダーで送り返してください。ただし、この方法が使えるのはセッション認証済みのフローだけです。ゲストのトークンは Cookie と照合して検証するので、Cookie がないと成り立ちません。
設定オプション
createCsrfMiddleware({
// CSRF 検証から除外するルート
exclude: ['/api/webhooks/*', '/api/public/*'],
// カスタムエラーハンドラー
onError: (ctx) => {
return ctx.json({ error: '無効な CSRF トークン' }, 403)
},
})
残りのオプションは、ふつうは変える必要がありません。
| オプション | デフォルト | 用途 |
|---|---|---|
methods |
['POST', 'PUT', 'PATCH', 'DELETE'] |
トークンを要求する HTTP メソッド |
cookie |
true |
安全なリクエストと、成功した更新系リクエストで XSRF-TOKEN Cookie を発行する |
cookieOptions |
{ path: '/', sameSite: 'Lax' } |
Cookie の属性。secure は、NODE_ENV が production のときと、process がないランタイムで有効になる |
ルートの除外
Webhook のエンドポイントなど、CSRF 検証を通さないルートは exclude に並べます。
createCsrfMiddleware({
exclude: [
'/api/webhooks/stripe',
'/api/webhooks/github',
'/api/public/*', // ワイルドカードパターン対応
],
})
手動トークン検証
独自の検証ロジックを書くときは verifyCsrfToken() を使います。
import { verifyCsrfToken, getCsrfToken } from '@guren/core'
import { Router } from '@guren/core'
export function registerWebRoutes(router: Router): void {
router.post('/custom', async (ctx) => {
const token = ctx.req.header('X-Custom-Token')
if (!verifyCsrfToken(ctx, token)) {
return ctx.json({ error: '無効なトークン' }, 403)
}
return ctx.json({ ok: true })
})
}
トークンの再生成
セッションに紐づくトークンはセッション ID に合わせて変わるので、次のタイミングで新しくなります。
- セッションが初めて永続化されたとき(作成したばかりのセッションには、まだトークンを紐づけられません)
session.regenerate()を呼んだとき(ログイン後に呼ぶことを推奨します)
ゲストのトークンはセッション ID を持たないので、セッションができるまで同じものを使い続けます。
// ログイン成功後
const session = getSessionFromContext(ctx)
await session.regenerate()
// 新しい CSRF トークンが自動的に生成される
セキュリティベストプラクティス
- 常に HTTPS を使う: HTTP ではトークンを傍受されるおそれがあります
- ログイン後にトークンを再生成する: セッション固定攻撃を防げます
- トークンを URL に含めない: POST のボディかヘッダーで送ります
- Cookie に secure 系のフラグを付ける: セッション Cookie はセッションミドルウェアが扱い、
XSRF-TOKENCookie はcookieOptionsの設定に従います
Inertia.js との統合
Inertia.js を使う場合、CSRF は Cookie を通じて自動で処理されます。Axios や fetch の設定で credentials を送るようにしておいてください。
// resources/js/app.tsx
axios.defaults.withCredentials = true
Inertia は XSRF-TOKEN Cookie を自動で読み取り、リクエストに付けて送ります。
ネイティブフォームではなく Inertia 経由で送信する
ただし、自動で処理されるのは Inertia が Axios で送るリクエストに限られます。ネイティブの <form method="post"> は通常のブラウザー遷移として送信されるので、X-XSRF-TOKEN ヘッダーが付きません。フォーム自体に _token の hidden フィールドがなければ、Guren は 403 で拒否します。
Inertia のページでは useForm() を使ってください。
import { useForm } from '@inertiajs/react'
function LogoutButton() {
const { post, processing } = useForm()
return (
<button type="button" onClick={() => post('/logout')} disabled={processing}>
ログアウト
</button>
)
}
単純なアクションのリンクなら、<Link href="/logout" method="post" as="button"> でも構いません。ネイティブフォームは、あえてページ全体を遷移させたいときだけ使ってください。